〜SUSPENTION &
STEERING〜
1.サスペンショングリースアップ(2013/11)
2.サスペンション点検(2013/12)
4.ステアリングカップリング修理(2020/9)
5.足回りグリースアップ、タイヤ交換(2021/9)
230SLのステアリングシステムは、パワーステアリング、センターロッド、ステアリングダンパー、タイロッドで構成される190Eと同じシステムである。
ブーツ類はほとんど新品同前でゴムに張りとつやがあった。操舵感は、ハンドルが大きい事もあって、かなり軽く感じる。ガタつきは感じられず、極めてスムーズで確実なものである。ハンドルのキレもとてもよく大きく曲がるので、Uターンや車庫入れでも扱いやすい。
サスペンションは現代のクルマに比べるとソフトだと思う。急ブレーキではかなり大げさにノーズがダイブする。ショックアブソーバーが機能していないわけではないので、ダイブしてもさっと、姿勢は復帰する。乗り心地は、このソフトなサスのおかげかかなり良い。
過去の整備記録によると、1985年、1994年にパワステポンプのオーバーホールが施工されている。2001年にも分解整備・センター調整の記録がある。
1.サスペンショングリースアップ(2013.11)
W113のサスペンションにはたくさんのグリースアップポイントがある。グリースニップルにグリースガンのチャックをはめてモリブデングリースを注入し、古いグリースと入れ替えを行った。
作業は、道具の扱いを習得するまでは大変だった。グリースガンのフレキシブルホースのチャックのカシメを外して、簡単に着脱できるように用意すると確実に注入ができる。ストレートのノズルでやろうとしても、ニップルの所で漏れ出してしまいなかなか内部にグリースが充てんできない個所もある。ニップルのダメージを防ぐのと次回からの作業の際に分かりやすいように黄色のニップルキャップを装着した。古いグリースは、今回使用したのと同色のグレーのものが入っている個所と赤色や黄色の入っている個所があり、ばらばらであった。これは、おそらく、すべての個所を一気にグリースアップしていないものと思われる。異音がした所だけ適宜という事でバラバラになってしまっているのかもしれない。グリースが出てくるときに、プチプチという空気が抜ける音がした所も少なくない。これは、内部でグリースが切れてしまい空気が入ってしまっている場所で、放置すればリンクの摩耗、ガタを生じ、高額な部品交換を要する恐れがある。1年に一回のグリースアップがメーカー指定では推奨されている。
グリースアップポイントは、リア二か所。フロント片側7か所で、左右で14か所。パワステしたのリンク1か所。ドアのヒンジ部分に片側2か所、左右で4か所。合計で、21か所ある。他に、ドライブシャフトにも1か所あるようだが、どこにあるのか良く分からず、まだ着手できていない。ハブベアリングのグリースも要交換個所であり、4か所ある。今回はリア側はまだ未着手。
リアのデフの近くにある、サスペンションのグリースアップポイント。2か所ある。ここは、ジャッキアップしなくても作業可能。
フロントサスペンションのキングピンとよばれるハブを固定している縦棒構造には、上・中・下の3か所にグリースポイントがある。
左と中央の写真ではキングピンの中と下のニップルが写っている。右の写真にはキングピン上のニップル。
アッパーアーム車体側には前後二か所のグリースポイントがある。
左の写真では、キングピン上とアッパーマウント前が写っている。右の写真にはキングピン上とアッパーマウント後が写っている。
ロアーアーム車体側には前後二か所のグリースポイントがある。
ステアリングリンク機構にも1か所、グリースアップポイントがある。
写真の左側のニップルが、パワステ下のリンクのグリースアップポイントである。右側に写るのはアッパーマウントのニップル。
ハブのグリースも、入れ替えた。
フロントのグリースアップは、ジャッキアップしないとかなり大変。
2.サスペンション点検(2013.12)
リアサスペンション左、右
部品代 |
工賃 |
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タイロッド右 |
13608 |
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ディーラーも整備工場も、特に異常があるとは認識していなかった。
しかし、ベンツらしからぬハンドルの不安定さ、不誠実さは高速道路を走行するときにはややストレスにもなっていた。
W113のメンテナンス記事を詳細にアップしておられるブログを拝見し、私のクルマもステアリングカップリングに問題があるかもしれないと感じた。
https://minkara.carview.co.jp/userid/1642803/blog/41501690/
ステアリングカップリングの矢印の部分に樹脂製部品が挿入されている。これが経年劣化で割れて崩れてなくなるとがたつきと異音の原因になる。
矢印(28)がステアリングカップリング。(105)が金属カバー。
カーペット類を剥がして、ステアリングシャフト根元部分の金属製カバーを露出した。
カバーはシャフト固定用1つとカバーを車体に固定するボルト5つで固定されている。
やはり、カップリングの部品の樹脂部分が無くなっていて、ステアリング側とパワステギアボックス側のカップリングの固定はゆるゆる、ガタガタだった。
詳細は、撮影したユーチューブ動画がわかりやすいので参考にして頂きたい。
この部品を交換するには、ハンドルシャフトを取り外す必要があるようで、かなり大変だ。そこで、欠損した樹脂部分を補うために、このように結束バンドを差し込んで修繕することを思いついた。
向かって左が処置後、右が処置前。処置前の右側はつなぎ目のシャフト周囲が空洞なのがよくわかる。
この修繕方法で、ステアリング側とパワステギアボックス側のカップリングのがたつきは完全になくなり、ハンドルの遊びとカタカタ異音は劇的に解消した。
5.足回りグリースアップ、タイヤ交換(2021/9)
走行距離が少なく、溝は十分残っていたので、2012年の納車時に交換したきりで、9年間も使ってしまっていた。
前後を入れ替えて、走行テストしたら、きちんとまっすぐ走ったのでアライメントには問題がないことがわかり安心した。前後タイヤ入替の際にサスペンション周りのグリースアップをしておいた。
グリースアップも8年ぶりだった。
足回りグリースアップ
185/80R14サイズの乗用車用タイヤはタイヤ屋さんに在庫がなく、離島のため取り寄せに二週間くらいかかるとの話だったので、在庫のあるバン用タイヤのダンロップエナセーブVAN01、185R14 8PRにした。これはサイズ的には、完全にフィットするものの商用車用という事で、乗り心地が悪くなるかもという説明があったが、使用感としては特に悪い変化は感じられなかった。
タイヤというものは、急にパンクして交換を要することもあるため、現在でも頻用されている同サイズのタイヤを見つけることができて良かった。
ただし、空気圧には少し注意が必要で、これまで乗用車タイヤだと前後230kPa入れていたのに対し、185R14 8PRでは前後260kPa入れる必要がある。
(詳細は、下記参照。)
また、最高速度は120Km/hが安全範囲となるため、それ以上スピードを出したいユーザーはやはり乗用車用を選ぶべきだろう。
4本の交換費用は工賃、タイヤ処分等全て込みで49280円だった。
トランク裏についている空気圧指定表。1psi=7kPaなので、
冷間時(タイヤが冷えているとき)前172,後214kPa
街乗り走行後温感時 前193,後234kPa
高速道路走行後温感時 前214,後262kPa
185/80R14,91Sの乗用車タイヤのロードインデックスは91だから、下表で空気圧前172,後214kPaの時の負荷能力は前180kPaとして520kg、後220kPaとして585kg。
しかし、私は、このトランク裏の空気圧指定表は低すぎる感じがして、実際には乗用車用タイヤで前後230kPaで使用していた。この場合、負荷能力は600kg。
<JATMA乗用車用タイヤ空気圧〜負荷能力対応表、ヨコハマタイヤHP>
<185R14-8PRの空気圧〜負荷能力対応表、アネックスキャンピングカーHP>によると指定空気圧下負荷能力前520Kg、後585Kgを満たすには、前220kPa,後240kPa。
私がこれまで入れていた負荷能力600kgを満たすには260kPaあれば良いという事になる。