TRANSMISSION



AUTOMATIC TRANSMISSION:オートマチックトランスミッション

 230SLは、機械式4段変速のオートマチックトランスミッションを備えている。非常にスムーズに変速し、使用していて特別な違和感などは感じない素晴らしいものだった。20年前のW126やW124、W201の時代のオートマチックトランスミッションよりも、信頼性は高いらしい。クルマの底に潜って点検してみたが、かなり大きなシステムで、機械的な余裕がたっぷりに製造されていたように感じた。僅かに、ATオイルのにじみは確認されたが、床にしみをつくる様な量ではなかった。きれいに底面を清掃し、どの程度のオイル漏れが生じるかを今後観察する事になる。
 シフトリンケージも確認したが、ほぼ新品同のものであった。当然、シフトはキチキチっと厳格に操作する事が出来る。

 0がN(ニュートラル)である以外は現代のクルマのシフトパターンと同じだ。

 ATオイルのレベルゲージ

過去の整備記録によると、ATは1986年走行距離9万キロ時にエンジン載せ替えの時に同時にOHが施工されている。以後、ATのトラブルの記録は無かった。




ほとんどATオイル漏れもなく、コンディションは良さそうであった。


シフトチェンジブッシュは度々破損・脱落し交換作業が行われている。最近では2011年に交換されていた。


ATは230SLのオリジナルのモノである。

 

掲載項目

.ATオイル・フィルター交換 (2012.4 112000km)
 納車整備時に施行。

2.シフトリンケージブッシュ交換(2015.1 115500Km)
 バックするために、シフトをRに動かそうとしたら、全く手ごたえがないぐにゃぐにゃ状態に突然なってしまった。シフトリンケージのシフト側が砕けて脱落したためだった。ディーラーに搬送し、念のため、AT側とシフト側両方を交換してもらった。部品(1122680150)475円*2、工賃10454円、計11404円。

3.シフトリンケージブッシュ交換、調整(2020/11,122000km)
 二度目のシフトリンケージブッシュ破損発生。今度はAT側だったため、結束バンドで外れたリンク部分を固定する応急処置をして自力で帰ってこれた。
 以前から気になっていた変速するポイントが3ミリ程、シフトゲートの位置からずれているのを調整しようと思いDIYでやってみることにした。調整後は、非常に気持ちよくシフトチェンジができるようになった。




https://youtu.be/y-GEptcmlCo

<シフトリンケージブッシュ作業手順>
@ミッション側のシフトリンケージブッシュを外す。マイナスドライバーなどでこじって外れる。
Aシフトノブを上に引き抜いて外す。
Bカーペット類を取り外して、シフトゲートカバーのボルトを緩め取り外す。


Cリンクロッドごと、室内側から取り外す。


Dシフト側シフトリンケージブッシュを外す。
Eリンクロッドの穴にシフトリンケージブッシュをボルトとナット、スペーサー(アースノーマットの蓋を加工して作成)ではめ込む。穴の大きい方から、シフトリンケージブッシュの♂向きに。
https://youtu.be/Xhsc_7We8bA


Fシフト側のリンク(オス)にロッド側(メス)をはめ込む。かなりの力が必要なのでディスクブレーキセパレーターで挟み込んだ。

4.ミッションマウント交換
 エンジン振動の原因を点検していた時に、息子がエンジンの後ろ側を心臓マッサージをするような感じで押すと
振動音が消えることを発見した。
 トランスミッションを軽くジャッキアップしてみると、グチャグチャに劣化したミッションマウントが持ちあがることが目視できた。同時に、エンジンの異常な振動音も消えることが分かった。


劣化したミッションマウント@

ゴムの塊をマウントの代わりに間に差し込んで走行テストしてみたところ、振動は消えていることが確認できた。
ミッションマウントの部品は国内在庫ありですぐに手配することが可能だった。整備工場に作業を依頼。ミッションマウント交換により、エンジン振動との闘いは終結した。

部品番号

部品代

ミツションマウント

A 120 223 04 12

11400

ラバーブーツ

A 111 224 00 82

2110

ラバーワッシャー

A 111 990 06 40

170

上記送料+税

 

2732

交換作業工賃

  6600

合計

23013



 


30年前(走行距離2.5万キロ前)にミッションマウント交換歴があった。その際に左のブーツを装着せずに交換が行われていた。
このブーツはオイル漏れによるミッションマウントの劣化を防ぐために重要な部品だ。


このようにすっぽりとミッションマウントに被せて、油汚れからゴムブッシュを守る。


エンジン振動との闘い